なんでもない、平凡な時間が幸せなのだと。

僕に気付かせてくれたのは、他でもない。



君なんですよ。







「つーなよーし君」

甘えるように、寝転んで漫画を読んでいる彼に抱きつく。
いつの間にか癖のようになったこの行為。
彼の部屋で、僕は彼を抱きしめてみたり、一緒に昼寝をしてみたり。
他愛の無い事を話したりすることが、当たり前になっている。
彼はいつものように、気のない返事を僕に返す。
それに不服そうにして、彼から漫画を取り上げて、僕のほうを向かす。

「まったく、しょーがないなぁ」

苦笑いしながら、彼は僕に抱きついて、それに満足して笑う。
ふわふわした彼の髪を撫でて、額にキスをして、また微笑んで。
なんて幸せなのだろう。
そう思う反面、途轍もない不安に駆られる。



本当なら、僕はこんな気持ちは知るはずなかった。



彼を乗っ取り、この世を血で染め上げる。


その目的を、果たそうとしていたのに・・・



「いつの間にか、君に捕らわれてしまっている」
「骸・・・?」
「綱吉君・・・僕は・・・」


僕はもう、君を傷つけることが出来ない。
こんな僕に、生きる価値など、あるのでしょうか?


こんな事を聞けば、きっと君は困ったように眉を歪めるでしょう。
もしかしたら、泣かせてしまうかもしれない。
僕は君を、マフィアを恨んでいるはずなのに・・・
それなのに、君を泣かせたくなくて、君を守りたいと思っている。


「骸・・・あのさ・・・」

不意に彼が、僕に声を掛けた。
僕に抱きつく腕の力も、少し強くなっている。
どうしたのかと顔を覗き込めば、そこには優しく微笑んだ彼の顔。

「ずっと、一緒にいよう。
俺が骸の不安を消してあげるから。
俺が骸の価値になりたい・・・ううん・・・なるから
だからさ、そんな泣きそうな顔、するなよ」

言い終わって、君はもっと強く僕に抱きついて、頬にキスをしてくれた。
それだけで、僕の心は満たされて、不安さえも消えている。
君の心からの言葉が、こうやって僕を包んで、救ってくれる。
何度も、何度も。

「綱吉君・・・ありがとうございます。
大好きですよ・・・いえ・・・愛しています。
だから、僕の傍から離れていかないでくださいね?」
「勿論。
骸の方こそ・・・離さないで・・・俺の事」
「離してと言われても、絶対離しませんよ」


また、いつものように二人笑って、ゆっくりと流れる時間を過ごす。
そうこうしている内に、別れの時間がやってきて、僕らは惜しみながらまた、と手を振った。
一人の帰り道も、僕は不安にはならない。
鼻歌を歌いながら、頭の中で君の事を考えると、まるで隣に居るかのように、君を感じられる。
それがまた嬉しくて、足取りも軽くアジトへと帰った。













君と共に在るこの幸せ




幸せなムクツナが書きたくて書いてみました←
シリアス多いからさぁ・・・・
幸せにしたかったんだいっ!
でも今現在聞いている曲が真っ暗どろどろww
なにこのギャップ・・・
ま、いっか。
ムックとツナが幸せならw←



    
inserted by FC2 system