愛しい人。 俺の、誰よりも守りたい人。 優しい大空。 「お帰り、武。 今回も早かったね」 真っ白なスーツに、赤色のネクタイ。 広い執務室の椅子に腰掛けて、笑顔で俺を迎えてくれる男。 「ただいま、ボス」 俺の主であり、尤も愛しい恋人。 「二人しか居ないんだから、普通で良いよ」 「そか? じゃあ改めて! ただいま、ツナ」 「お帰り、武」 俺たちボンゴレファミリーのボス、沢田綱吉。 「なーんか、ダメだな、俺」 「何で?」 「一日離れただけで、ツナに会いたくて堪らなくなる。」 十年前よりも、少し伸びた背、だけどすっぽりと俺の腕に納まるツナの体を抱きしめる。 壊れ物を扱うように優しく。 でも、離れていた間の空白を埋めるように強く。 すると、ツナもそれに答えるようにして背中に腕をまわしてくる。 「だからさ、早く終わらせたんだぜ?」 「それは、凄い嬉しい。 俺も・・・武が基地に居ないだけで、凄い寂しいから。 でも・・・・」 「でも?」 「そればっかに気を取られて、武が怪我とかしたら・・・嫌だ」 まるで子どもの様に、頬を膨らませた恋人が、酷く愛しい。 こんな時、俺は本当に幸せ者なのだと実感する。 言葉で出す前に、俺はツナをさっきよりも強く抱きしめた。 ツナは何も言わない。 代わりに、俺の背中に回した腕の力を強めてくれる。 「大丈夫。 俺は、ツナに笑っててほしいから。 だから、ツナを哀しませるような事は絶対しねぇよ」 いつか、ツナが好きだといった顔で笑ってみせる。 俺が笑うと、ツナも嬉しそうに笑ってくれるから。 額と額をくっつけて、子どもみたいに笑いあって、軽くキスをしして、また笑う。 「なぁツナ」 「何?」 抱きしめていた体を離して、ツナの前に跪く。 不思議そうに首を傾げるツナの手をとって、そっと口付けると、ツナは顔を赤くした。 俺はツナをまっすぐに見つめて言う。 「愛してる。 俺の全てをかけて、ツナを守るから。 だから、いつまでも、笑って俺の傍にいてくれな?」 言い終えて、また笑う。 愛しい人 願わくば、永久に君が、幸せに笑っていてくれますように 書きたくなったので書いてみました。 10年後の山ツナお題シリーズ(笑 てか俺の場合書ける時に書いておかないとすぐかけなくなる・・・ 明日は大学も遅くからやしちょっと夜更かし(笑